梅毒が心配な人は受診して下さい。

【検査】
・脂質抗原を用いたSTS(緒方法、ガラス板法、凝集法、RPR等)
 ⇒特異性に欠けるが、感染後最も早く(4~6週)陽性化し、治療効果を反映しやすい。

・トレポネーマ抗原を用いた方法(TPHA、FTA-ABS)
 ⇒特異性が高く、確定診断には必須。

【診断】
・ STS(+)、TPHA(+)  ⇒ 梅毒

・ STS(-)、TPHA(-) ⇒非梅毒か極めて稀な血清陰性期の第I期梅毒
 後者が疑われる場合、2週間後に再検査を行う。

・STS(-)、TPI‐IA(+)⇒既に治癒した梅毒

・STS(+)、TPHA(-)  ⇒生物学的偽陽性反応(biological false positive,BFP)
 健常人、肝炎、SLE、妊婦で時に見られるが、梅毒ではない。

【治療】
・内服薬 AMPC(パセトシン、サワシリン) 0.75~ 1g/day
 ABPC(ビクリシン、ペンブリチン、ぺントレックス) 1.5g/day
 ※PCアレルギーがある場合、
  マクロライド系(アセチルスピラマイシン) 1.2~ 1.6g/day
    初期   : 2~ 4w
    第Ⅱ期以降: 4~ 8w

・効果判定  STS低値(緒方法40倍、ガラス板法4倍、PRP法8倍以下)、
         TPHA 320倍、FTA-ABS 80倍以下程度で固定していれば
         治癒したものとしてみなして良い。

        IgM‐FTA-ABSが消失していれば、完全に陰性(治癒)

血清反応は感染後STS、FTA‐ABS、TPHIAの順に陽性化する。